お前、可愛すぎてムカつく。
つい聞き耳をたててしまう。
「…で、水原さんと付き合ってんのかよ!?」
着替える手が止まった。
知りたいようで、知りたくない真実。
蒼空はなんて答えるんだろう…
「付き合ってねぇよ」
「はぁ!?あんなにいつも一緒にいんのに!?」
「いつも一緒にいるわけじゃねーし」
「またまたぁ~!でも水原さんに好かれてるのは間違いねぇよなー!マジ羨ましい~!」
その後も彼らは水原さんの魅力を存分に語りまくっていたけど、蒼空がそれに賛同することはなかったし、口数も少なかった。
それに対してものすごくホッとしている。
付き合ってるわけじゃないんだ…
スタッフルームを出て行く音がしたので、私もそっとカーテンを開けると蒼空が一人でいたからびっくりした。
椅子に座ってスマホを見ている。
この光景…なんかデジャヴ。
そして私の顔を見上げた。