お前、可愛すぎてムカつく。
「なに驚いてんの?」
「え…あ、誰もいないのかと思ったから…」
蒼空は再びスマホを見始めた。
誰かとメールしてるのかな…水原さん…?それとも違う女の子?
気になって仕方がない。
そんなことより、二人っきりになれるチャンスなんてあまりないんだし、何か話さなきゃ!
「お前、なんでバイト始めたの?何か欲しいもんとかあんの?」
「えっ…欲しいものっていうか…」
蒼空がいるからここのバイトを始めたってこと…気づいてないんだ!
「この店彩んちから遠いじゃん。もっと近くに働くとこ色々あんじゃねーの?」
「うん…そうなんだけど…。あっ蒼空何か欲しいものない!?」
「は?俺?」
「そう!もうすぐ誕生日でしょ!?だからっ…」
「いらねーよそんなの」
蒼空は立ちあがってスタッフルームを出ていこうとした。
「お願いっ…なにか考えてて?」
「なんでだよ…」
「え?」
「だってお前…」