お前、可愛すぎてムカつく。
先生は怪我をしている3人の男子を見て驚いていた。
「喧嘩になってるって聞いたが…桐谷なにがあった?」
「俺一人でこいつら殴りました」
「嘘だろ、お前がか!?」
先生も信じられないといった様子。
無理もない、今まで蒼空は先生たちにも評判も良かったんだもん…
「ただムカついたから…特に理由はないです」
蒼空は真っ直ぐな目でそう言った。
「でも蒼空っ…」
右手で私の口をそっと塞ぎ、小声で言った。
「心配すんな。お前の事はなんも言わねーから」
…そんなこと気にしてるんじゃないのにっ!
「わかった…。今から職員室にこい。あと誰か、怪我してる3人を保健室に連れてけ」
3人の男子生徒たちが周りの生徒に抱えられてその場を去っていく。
蒼空も先生に連れて行かれそうになっていた。
「蒼空ッ…」
そう呼んで振り返った蒼空は、私を安心させるかのように笑っていて。