お前、可愛すぎてムカつく。
「いやーでもまさかとは思ったけど、あの日だったとはねぇ~」
「もぉー!いーでしょその話は!!」
「なぁんで!?こんなに楽しい話ないでしょ!もっと詳しく聞きたいよね~渉!?」
翠が渉君に話を振ると、渉君は苦笑いを見せながら頷いた。
うわ…渉君ひいてるのかも。
こういう話苦手な人もいるもんね…
その時、突然後ろから肩を抱かれた。
「なに盛り上がってんだよ」
驚いて振り返ると蒼空が笑って立っていて。
ドキンと胸が高鳴る。
昨日の帰りは翠と帰ったし、あのことがあってからまともに話もしてない。
「噂をすればっ」
翠がからかうように言う。
「噂ってなに」
蒼空がどんどん不機嫌になっていく。
ああーもうこの話やめてほしい!!
「べ、別になんでもないから!!ほらっ勉強しないと!」
私は蒼空を席に戻るように促したけど、蒼空は戻ろうとしない。
「はぁ?俺だけ除け者!?」
「そういうんじゃないから!」
私達のやりとりを見て、翠がまたにやついている。