お前、可愛すぎてムカつく。
「翠笑ってんのムカつくんだけど。ぜってーなんか俺の事言ってただろ」
「別に―?」
「その顔別にって顔じゃねーし」
ああ~翠もう放っといてー!
蒼空もイチイチ反応しないでよー!
「翠、蒼空。彩ちゃん困ってんじゃん。もうやめたら?」
その時、隣に座っていた渉君が強い口調でそう言った。
珍しい…いつも穏やかな渉君がそんな風に言うなんて。
翠も蒼空も少し驚いた様子で渉君を見つめている。
「蒼空、彩ちゃんの事大事に思ってんならさ、もっと考えなよ」
「は?考えてるけど」
「そうかな、彩ちゃんが困ってるのに気づいてなかったじゃん」
わ、渉君?
渉君はなぜかとてもイラついてるようで。
口調がいつもの渉君らしくない。
機嫌…悪いのかな?