お前、可愛すぎてムカつく。

いつも渉君には頼ってばかりだったから、少しでも力になれることならしてあげたい。


「私でよければ話聞くよ!?」


『ホント!?ありがとう。学校じゃ話せないからさ…』



私達は近くの公園で待ち合わせをした。


今日は初夏の陽気でとても暑く、少し歩いただけでも汗が出てくる。


私は日陰のベンチを探して座った。



プレゼント買ってたからちょうど良かったかも。


渉君喜んでくれるかな…



そんな事を考えていると、渉君がやってきた。



「あちぃー…。突然ごめんね?びっくりしたでしょ」


渉君はおでこの汗を手の甲で拭きながら、さわやかな笑顔で歩いてきた。


悩みなんてなさそうな笑顔だけどな…


「ううん!私も渉君に用事あったからちょうどよかったよ」


「え?俺に?」


渉君は私の隣に座った。


「これ…ほんの少しなんだけど、いつもお世話になってるから」


「え!?なにコレ!誕生日でもないのにもらえないよ!」



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