お前、可愛すぎてムカつく。


「もー、そんな顔しないでよ!明日からまたいつも通りの友達でよろしくね?」


渉君が笑ってくれたから良かった。


「うん…ありがとう」


「蒼空も…ありがとね、おかげで前に進める」


「ん。俺は別に…」



ゴモゴモしている蒼空を見て渉君はフッと鼻で笑った。


そして私達に「じゃーまた明日!」と手を振って去って行った。



はーっとため息が出た。


それを見た蒼空が私の右頬をつねった。


「いたっ!!」



「他の男のためにため息なんかつくな」


「だって…。てか!蒼空は渉君が私の事スキだって知ってたんだ!?」


「まぁな、渉と何年一緒にいると思ってんだよ」


「それなのに告白させたんだ…」


「渉がさっき俺に言ったんだよ。振られるのはわかってたけどお前に言いたいって。渉がそんな風にハッキリ言うの珍しいからさ、本気なんだなって思った。だから思いっきり振られてこいって言ったんだわ」






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