お前、可愛すぎてムカつく。


「振る方も辛いんだけど…渉君良い人だからさ…なんで私なんかを好きになったんだろう」


「ほんとにな」


「はぁ!?」


蒼空は横で大きく背伸びしていた。



「なんで同じ女を好きになるんだか。女なんて他に腐るほどいんのに…でもお前に惹かれる気持ちはわかるから…」


ドキッとした。

そうだよね…蒼空は私の事…


改めて言われるとなんだか恥ずかしくなる。



「蒼空…ごめんね、誕生日なのになにも買ってない…」


「え?」


「さっきプレゼント買おうって色々悩んだんだけど…悩みすぎて結局何も買えなかった…」


するとぷっと笑われた。



「そんなん、もうもらってっからいーよ」


「え…何かあげたっけ?」



蒼空が私を指さす。


「彩をもらったし」


そう言って、にやっと笑った。


忘れていたことを思い出す。


この前蒼空の家に泊まった日の事を…


一気に顔が熱くなっていくのを感じた。



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