お前、可愛すぎてムカつく。


「ねぇ、嘘なんでしょ!?」


「黙ってないでなんとか言ったら!?」


ずいずいと迫られて私は二人に圧倒されていた。


なんで私がこんな目に合うのー!?



「彩ちゃん?」


その時、後ろから渉くんの声がした。



「わ、渉くん!」


「おはよー。どうかした?」



渉くんが女の子たちをチラッと見る。


二人とも動揺してるっぽい。



「用がないならいこっ」



渉くんが私の手首をつかんで階段を上り始めた。


振り返ると女の子たちは気まずそうにしていて。


助かった…渉くんがいなかったら私シバかれてたかも。


「ありがとう…渉くん」


「彩ちゃんさぁ…蒼空と付き合ってるの?」


渉くんまであの二人と同じこと聞くの!?


しかもめっちゃ笑顔で。



「つ、付き合ってないよ!?なんで!?」


「なんか朝から噂になってるよー。俺何人かの女子に聞かれたもん」


そ、そんなぁぁぁーー!


なんでそうなるのよ!

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