お前、可愛すぎてムカつく。
送ってほしかったけど、桐谷くんのときみたいにまた変な噂流れたら嫌だし。
松林先生も女子から人気あるから、恨まれたくないしな。
てか、私んち遠いってこと…知ってるんだ。
当たり前か、先生だもんね。
学校の門を出たところで足が止まった。
驚いて動けなかったんだ。
だって、みんなと一緒にカラオケに行ったはずの桐谷君がそこにいたから。
彼は友達と話をしていたけど、私の姿に気づくと友達と別れ、私の元へやってきた。
「な、なんで…!?桐谷君みんなとカラオケに行ったんじゃ…」
「人数多すぎだったし、途中で抜けてきた」
両方のポケットに手を突っ込んで、なんだかエラそう。
「それに榎本さんに言いたいことあって」
「い、言いたいこと?」
「明日颯太君と遊ぶんだって?」
「え…どうしてそのこと…」
「さっき颯太君に聞いた。なんか自慢げに言われたんだよね」