お前、可愛すぎてムカつく。


先輩が連れてってくれたお店は、雑誌で何回か見たことがあるオシャレなカフェで、いつか行きたいなと思っていた店だった。


さすが先輩だな…

女の子が好きそうな店をわかっている。



「ここの白子とアスパラの和風パスタがめっちゃうまいんだよー」


そう言って嬉しそうにメニューを見る先輩。


無邪気な所もあって、見ていると微笑ましくなる。


何も心配する事なんてないじゃん。


“後悔してもしらねぇよ”ってどういうことよ。


やっぱり桐谷君は私の事馬鹿にしているだけなんだ。


「ついでにデザートも頼んじゃう?」


先輩はパスタの他に、デザートも頼んでくれた。



「俺のおごりだから心配しないで」


「なんか悪いです…」


「誘ったのは俺なんだし、気にしないでよ」



包容力もあるし、なんて完璧な人なんだろ。


素敵だな…

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