お前、可愛すぎてムカつく。
先輩が観たいと言っていた映画はSFで、面白かったけど私は今日公開したばかりのラブコメの方が観たかったな…
でも映画代も先輩に払ってもらったし、そんなこと言えないよね。
一緒に観れただけでも幸せだもん。
映画館を出ると辺りが暗くなっていた。
時計を見るともう18時を過ぎている。
「先輩、私そろそろ…」
「あ!彩ちゃん、今から鍋パーティいかない?」
先輩がスマホを見ながらそう言った。
「鍋パーティ…ですか?」
「うん。俺の友達が今からやるらしいんだけど彩ちゃんも一緒にどう?」
「え…」
先輩の友達って誰だろう…
朱里先輩とか?
戸惑っていると、先輩がハハっと笑った。
「身構えなくても大丈夫だよ、みんな良いやつらだし。俺もいるから安心して?」