お前、可愛すぎてムカつく。
正座して部屋をぐるりと見渡した。
音楽が好きなのか、大きなステレオの横には沢山のCDが置いてある。
…レッチリだ。
私も洋楽が好きで、よく聴いているバンドのひとつ。
「榎本さーん」
「は、はい!?」
突然名前を呼ばれてどきっとした。
桐谷くんの方を見ると、手招きしている。
「え?なに…?」
「寝よーよ」
「ね、寝る!?もう!?」
「もうって…2時すぎてんじゃん…」
よほど眠いのか、目をつむったまま言っている。
変な意識をしてるのは私だけかも。
「ベッド1つしかねぇから…一緒でいーよね?榎本さん奥いって」
そう言って枕を壁際にずらした。
「えええ!?わ、悪いよ!!私は床で大丈夫!!」
家にきただけでも大事件なのに、一緒に寝るなんて無理に決まっている。