お前、可愛すぎてムカつく。
「床なんてありえねーじゃん、かといって俺も床で寝んのやだし」
「大丈夫!!私床好きだからっっ!!」
意味がわからないことを言ってみる。
「あぁ~めんどくせぇ」
桐谷くんは私の手首を引っ張って、ベッドに押し倒した。
体が硬直する。
「それ以上グダグダ言うとやっちまうぞ」
上から見下ろされた目が真剣すぎて、私は何も言えなくなった。
「わかった?」
コクコクと首降り人形のように頷く私を見て、桐谷くんは鼻で笑った。
「んじゃ、おやすみ~」
パチンと電気を消されて、私たちは同じベッドに入った。
体の左半分がなんだかビリビリしてるんですけど…。
桐谷くんは私に背を向けている。
だけどシングルベッドだから狭くて少し動いただけで触れてしまう。
身動きがとれないし苦しい。
これならマジで床に寝た方がマシなような…。
あんなに眠たそうにしてたのに、しばらく経っても桐谷くんは眠れない様子。
「あの…桐谷くん?」
「………ん?」
「寝ないの…?」
「………」
あ、寝そうなのかな…
そっとしておこうと思ったら、くるりとこちらを向かれた。
突然顔が近くなって体が固まる。