お前、可愛すぎてムカつく。



「寝れねぇんだよ…榎本さんのせいで」


「私のせい!?あ…狭いもんね、やっぱり床で…」


「ちがくて。俺だって男だからさ」


真顔で私を見つめている。


こんなとき、どんな言葉を言ったらいいのかわからない。


「さっきは究極に眠くてソッコー爆睡できるかと思ったけど…いざ榎本さんがベッドに入ったら無理だったわ」


「えええ!?」


「なんか胸あたるし」


「ちょ、ちょっと待ってよっ…桐谷くん私のこと嫌いなんだよね!?」


「…嫌いだなんて言ったっけ?」


「言ったじゃん!!地味な女は嫌いだって…」


少し考えてから「あー…」とつぶやいた。


「地味な女は嫌いだけど、別に榎本さんのことは嫌いじゃねぇよ」


「は?」


「嫌いな女のためにわざわざ助けになんか行くはずねぇだろ…」



そう言って、桐谷くんはベッドから降りて床に 寝そべった。


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