お前、可愛すぎてムカつく。


目が覚めると、カーテンの間から朝日が漏れていた。


…昨日桐谷くんちに泊まったんだよね。

未だに信じられない。


ふと横を見ると、桐谷くんが隣で寝ていた。


あれ……床で寝てたんじゃ!?



縮こまって布団のなかにもぐっている。


その姿がなんかかわいくて、思わず笑ってしまった。


だって…いつも私に対して上から目線で俺様な人が、今は小さく丸まってるんだもん。


「桐谷くん、朝だよー?」


小声で言ってみたけど、起きそうもない。


よっぽど疲れてるんだろうな…


昨日遅かったし。


下ではガタガタと音が聞こえてきた。

きっと桐谷くんの家族が起きてるんだと思う。


昨夜は遅かったから挨拶できなかったけど、ちゃんとしといた方がいーよね…


そっとベッドから出ようとした瞬間、手を引っ張られ、ベッドの中に戻された。


桐谷くんに後ろから抱き締められる形になり、心臓が止まりそうになった。


「き、桐谷く…」


「あかり…」


「え?」


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