お前、可愛すぎてムカつく。
寝言…?
今あかりって言ったよね…
朱里先輩のこと…?
ドクンと大きく鼓動を感じる。
そしてぎゅっと、胸が締め付けられた。
なんなのこれ…。
桐谷くんは全然起きなくて、私はベッドから出た。
私のこと、朱里先輩だと間違ったんだよね…
やっぱり二人って前に付き合ってたりしてたのかな…?
ささっと髪を直し、私は桐谷くんの部屋を出た。
1階のリビングでは話し声が聞こえてくる。
そっとドアを開けると、キッチンには桐谷くんのママさんらしき人と、妹っぽい女の子が並んで立っていた。
「あのっ朝早くからすみませんっ」
私の声に二人がこちらを向く。
「昨夜遅くにお邪魔してました…ご挨拶が遅くなって申し訳ありません!!終電がなくなったので泊まらせていただきました!!」
頭を下げると、ママさんがクスッと笑った。