【短】花火の夜に
ある夏の日の出来事。

その日あたしは偶然そこにいて
いつもなら絶対立ち止まらないストリートライブに聞き入っていた

アンプを通してじゃない生の声

それは甘く響いて

素直なその歌詞は

あたしの胸に真っ直ぐ届いた




駅前のロータリーでギター1本で歌うあいつに
あたしは恋に墜ちた







毎週土曜日夜21:30
駅前のロータリー
あいつのウタが聞きたくて
あいつの顔が一目みたくて
あたしは毎週通うんだ

それが習慣になってからもうすぐ1年
あいつに出会って2回目の夏を向かえようとしていた


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