私情。
「明日、おまえ暇?」
「え、え??暇だけど…」
明日、デートしようかと聞こえた気がして思わず目を見開いた。
「あーちゃん、暑さで頭おかしくなったの…?あーちゃん…?」
「うるせえな。」
やっぱなしにすっかといいかけたところで、あわてて引き止めた。
「まって待って待って待って待って、待って!!!!!!!」
「本当うるせえ。」
「夢見たい、ねえ、好き。」
あーちゃんが、ボソッと俺もと言ったのを、聞こえないふりで流した。
涙が出そうで、
困惑よりも信じたらいけない、
間に受けたらいけない、
聞かなかったことにしよう、
きっと何かの勘違いだと。
私は笑いかけた。
「明日、どこ行こっか!」
あーちゃん、あーちゃん
どうか、愛さないで…?
愛さないと、愛せないと
言ったじゃない。
聞き間違いだと信じたいよ。
あーちゃんは、
この日を境に少しずつ変わっていった。