私情。
隙間風でカーテンが揺れる。
君の寝息が耳につく。
胸が痛いのは、なんでだろうね。
あーちゃん。
ごめんね。
何も考えたくないのに、
思い出がとめどなく押し寄せてきて。
「ごめんね、あーちゃん。昔の私が良かったって、あーちゃんも言うんだろうね、ごめんね。」
絞り出されたような声に、
泣きそうな苦しさが混ざった。
あーちゃんの髪を撫でる手から、
ちくりちくりと胸に痛みが刺す。
私の言葉なんて、
軽くて薄いもので。
だからこそ伝わっていないとばかりおもっていたけれどそれは、返ってのしかかるようにあーちゃんを潰していた。