私情。
時間は刻一刻と迫ってくる。
というのはこのことで。
あと、7日のうちに。
決めなければいけない。
優しさも病気も、
どんなんだかわかっちゃいない。
自分がどうしたいか。
それだけのはずなのに。
中途半端なわたしはまだ、
迷っていた。
「あーちゃん、お腹すいたね。」
「生オムライス食べる?」
「なにそれ。」
「たまごかけご飯。」
「あーちゃん…………。つまんない…。」
「…うっせ、飯食い行くか。」
「照れてる照れてるかわいいなあもう…スーパー、行こうよ。食材買いに行こ。今日は作ってあげるよ。」
夕方、5時を回るころ。
2人で家を出た。
手は、繋がない。
まだ薄明るい世界で、手は繋げない。
背中に寄り添うこともしなければ、
距離を起きもしない。
隣で歩幅を合わせて歩く。
いたって普通の友達だと、
言い訳ができるように。
万が一、あーちゃんの彼女さんと、
すれ違ってしまった時のために。