私情。
「謝ってんなよ。」
「んっ…」
あーちゃんは急に振り向くと、隣に腰を下ろしていた私の手首を思い切り握り閉めた。
「天音さん…?」
「なあ、これがどういう状況かわかってんの?」
恐る恐る出た私の言葉はいらないかのように、どんどんと言葉を発する。考える暇もないくらいに。
「好きなら、俺のこと愛しててよ。俺は振り向かないけどね。愛されない辛さ感じながら一生生きててよ。ねえ、すきなんでしょう?」
私を掴む腕に、どんどん力が入る。
「ねえ、なんとか言えよ、なあ。すきなんだろ?身体も心も俺の都合いいように差しだせや。」
軽く押されてそのまま寝そべって、私の上にまたがる彼の目からそらさずに、ゆっくりと答えた。