黄泉の本屋さん
「ゆめかさん・・・」
「こうして、目の当たりにしちゃうと。実感わきますね。自分が死んじゃったんだって」
ゆめかさんの瞳からポロリと涙が流れた。
信じたく、なかったよね。
辛い思い抑えて、彼のためにここまで・・・。
本当に、彼の事が大好きだったんだ。
愛してたんだ。
ううん。
大好きで、愛してるんだ。
「中、見させてもらいますね」
こみ上げてきた涙を拭うと、カバンを拾い中を覗いた。
財布やタオル、ポーチなどが入っている。
「たぶん、内ポケットに入れたと思うんです」
「内ポケット・・・、あ、これ」
内ポケットにはコインロッカーの鍵が入っていた。
よかった。
これで、あのプレゼントを受け取れる。
私は、ゆめかさんと顔を合わせ笑った。