黄泉の本屋さん
「でも、モノに触れることができないのに、手紙を書くことはできるの?」
「それなんですが・・・。奏音さんの協力なしにはできません」
「私?私のできる事なら、何でもする!どうしたらいいの?」
私は浅葱に詰め寄る。
私が、浅葱を振り回してる。
私にできることがあるならなんだってする。
「奏音さんの身体は、完全なる霊体ではない。だから、モノに触れられるし僕の力を使えば人の目にも映る」
「うん。でも、私が代筆するんじゃ意味が・・・」
「はい。だから、奏音さんの身体にゆめかさんの魂をうつします」
「ゆめかさんの魂を?」
浅葱が真剣な瞳で私を見据える。
ゴクリ、と息を飲む。
「ですが、半分霊体である奏音さんに憑りつかせるのは、難しいんだ。だから、憑りつかせられる時間はもって10分。その時間で、手紙を書ききることはできる?」
「10分・・・。はい。それだけあれば、十分です!」
ゆめかさんが強い意志を持った瞳でそう言った。
私の身体を、貸すってことね。
私も、浅葱に頷いて見せた。