黄泉の本屋さん
「よ、よがっだぁぁぁ」
「うん。よかったね、本当に」
例にもれず、大号泣の私を浅葱がなだめる。
大きなことを成し遂げられたような気分で、清々しい気持ち。
それでも、やっぱり霊との別れは寂しいものだ。
「これが、ゆめかさんの本・・・」
「うん。僕も読んだけど、とてもいい物語だったよ」
「そっか・・・」
幸せに、満ちた本だったのかな。
池野さんが隣にいたんだもの、当たり前だよね。
「それにしても、本当に奏音さんはすごいよ。こんな事、成し遂げるなんて」
「必死で・・・。浅葱の力がなければできなかったもん。私がすごいんじゃないよ」
「言ったでしょ。僕だけなら、あそこまでしてあげることはないって。だから、奏音さんのおかげだよ。ゆめかさんがあんなにも言い顔をして常世に行けたのは」
そう言ってもらえると、すごく嬉しいんだ。
私が、役に立ったって言ってもらえたみたいで。
私にできることを、やりたい。