黄泉の本屋さん
絆ノ章
時には、ケンカなるものを
「浅葱ーンッ」
甘ったるい声。
はしゃいだ軽やかな足音が店頭にいた私の隣をかけていく。
そのまま奥へと嵐のようにかけていった姿を、私は視線で追いかけた。
今のは、心さん?
また浅葱に会いに来たのかしら。
彼女は、浅葱の・・・なに?
聞きたいけど、聞けない。
聞くのが、怖い。
それは、どうして?
少し、気になって心さんが向かった方へ私も向う。
浅葱は、たぶん一番奥の本が置いてある部屋で本の整理をしているはず。
その時、バサバサバサ!と大きな音が聞こえる。
何事!?
私は慌てて奥の部屋へと急いだ。