黄泉の本屋さん


勢いよく、扉を開き中を覗く。
そこで目に飛び込んできた光景に、私は息をのんだ。




あちこちに散らばる本。
そして、その中心に横たわる浅葱に、その上に押し倒すように乗っている心さん。


浅葱の手は、心さんの腰にやさしく触れていた。




頭に一気に血が上る。
唇を噛みしめ、二人を睨みつけた。




「奏音さん・・・、あの」



言い訳を始めようとする浅葱をキッと睨みつけた。
目を丸くして言葉を止めた浅葱。




「浅葱の、バカ!!!」



私は叫ぶと、扉を勢いよく閉めて踵を返した。
ズカズカと大きな足音を立てて歩く。


なんでこんなに怒ってるんだろう。
こんなにもイライラして、胸が痛む。




なんで・・・?





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