黄泉の本屋さん
ずらっと天井まで高く並べられた本の数。
こんなにたくさんの魂を送り出してきたんだ。
すごい・・・。
背表紙にはその人の名前と、生きていた西暦が記されている。
本の太さは人それぞれで、辞書のように太い本もあれば、絵本のように細いものもあった。
細いものは、子どものかな・・・。
そう考えると少し切なくなった。
本棚とは少し離れた場所に、小さな箱があった。
隅っこの方に隠されるように置いてあるその箱。
気になって手を伸ばした。
そっと中をあけると、そこには本が入っていた。
でも、他と違うのはその本が、鎖で固く縛られていたこと。
「・・・え?」
鎖を少しずらして名前を読む。
そこで、目を疑った。
息をのむ。
だって、そこには・・・。
篠ノ井 浅葱 19xx~20xx
そう書かれていたんだから。
篠ノ井 浅葱。
浅葱の、名前・・・?