黄泉の本屋さん
「おい!誰もおらんのか!」
怒鳴り声が聞こえ、ハッとする。
お客さん!
慌てて私は店頭に向かう。
そこには、典型的な頑固おやじなる風貌の男の人が立っていた。
こ、怖い~。
「い、いらっしゃいませ・・・。あの、店主を呼んでまいりますので少々お待ちください」
「まだ待たせる気か!早くしろ!」
「は、はいぃ!」
私は慌てて奥に引っ込み浅葱を探した。
そんな時に限って浅葱はなかなか見つからない。
「まだか!」
店頭からそんな怒号が飛んだ。
いやぁぁぁ!
浅葱、どこにいるのぉ!
「浅葱ぃ!!」
「・・・・・・あ、奏音さん。どうしたの、そんな青ざめた顔して」
「いた!早く、早く来て!」
「えっ!?」
見つけた浅葱を引っ張って戻る。
急いで戻らなければ、命がない!