黄泉の本屋さん
私は、浅葱たちの目を盗んで再びあの部屋にやってきていた。
箱の中から、鎖で固く縛られた浅葱の本を取り出す。
どうしてこんなに鎖で固く閉じられているんだろう。
「もしかして・・・」
この鎖を外せば、浅葱の記憶は・・・。
「よし」
私は、鎖をぐ、と握って力を込めた。
バチバチッと音を立て、指すような痛みが手に走る。
「きゃっ!?」
な、なに・・・。
静電気みたいな。
拒まれた・・・?
ということは、間違ってないのかも。
これを壊せば。
きっと浅葱は、解放される。
浅葱を、助けられる。