黄泉の本屋さん


私は、浅葱たちの目を盗んで再びあの部屋にやってきていた。
箱の中から、鎖で固く縛られた浅葱の本を取り出す。


どうしてこんなに鎖で固く閉じられているんだろう。



「もしかして・・・」



この鎖を外せば、浅葱の記憶は・・・。




「よし」




私は、鎖をぐ、と握って力を込めた。
バチバチッと音を立て、指すような痛みが手に走る。




「きゃっ!?」



な、なに・・・。
静電気みたいな。
拒まれた・・・?


ということは、間違ってないのかも。
これを壊せば。


きっと浅葱は、解放される。
浅葱を、助けられる。





< 167 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop