黄泉の本屋さん


私は、力を込めてもう一度その鎖を外そうとする。
バチバチッと拒まれるけど、構わず力を込めた。



「・・・奏音さん!?なにを!」



突然聞こえた声。
驚きに肩に力が入る。


その瞬間、ぶちっと音を立て鎖が千切れ飛んだ。




「あ―――――」




辺りが一瞬にしてまばゆい光に包まれる。
その光が落ち着いたとき、私の手から本が滑り落ちた。



「なに、これ・・・」




これで、浅葱の記憶は戻った?





「あなた、なんてことを・・・」




部屋にやってきたのは、暁。
暁は青ざめた顔でこちらを見ている。




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