黄泉の本屋さん


「なんてことを!」

「でも、浅葱は本当は人間なんじゃないの!?そうなら、浅葱だって、常世に行く権利はあるはずよ!」



ここに、とどめておく権利は暁にはない。
私だって、会えなくなるのは辛いけど。
浅葱には、幸せに―――――。



「記憶を戻したところで、浅葱は常世へはいけません」

「え・・・・」

「こんな事なら、話しておくべきでした」

「どういう、事・・・?」

「浅葱は、悪霊に憑かれているんです」




悪霊・・・?
悪霊って、そんな、どうして。


その時、暁の身体が突然光り輝きだした。
眩しさに目を閉じる。

光が落ち着き、恐る恐る目を開いた。




「え・・・?」




暁は、大人の姿へとその姿を変えていた。
美しい着物を身に纏った、神々しいオーラを見に包むその姿。
私は息をのむ。





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