黄泉の本屋さん
届け、声
暁に連れられてやってきたのは、どこかの踏切。
なんとなく、見覚えのある場所だった。
ズクン、頭痛がして顔を顰める。
「・・・?」
頭を抑えるけど、それ以上は何もなく首をかしげた。
いったい、なんだったんだろう。
「いました!」
暁の声にハッとして視線を向けると、浅葱の姿を発見した。
浅葱は、トボトボと線路に向かって歩いていた。
様子がおかしい。
悪霊に、憑りつかれてるってことなんだ。
「浅葱っ!!」
私は慌てて浅葱に向かって走り出す。
もう少しで浅葱は線路の中に入ってしまう。
止めなくちゃ。
「浅葱!待って!行っちゃダメ!」