黄泉の本屋さん


「ですが、私には封じることが精いっぱい。ですから、浅葱の記憶を封じ込め、神の代理人としてここに置いたんです」

「そうだったんだ・・・」

「ですが、それももう終わりです」

「え?」

「浅葱は、記憶を取り戻したんです。ここにいる理由はもうありませんから」




暁はとても寂しそう。
浅葱の記憶が戻って、悪霊からも解放されたことはとてもよかったことだと思うけど。

暁にとっては、寂しくもあるんだ。




ずっと、一緒にいたんだもんね。
暁は、浅葱の事がとても好きだったんだね。




「浅葱が望めば、常世へ送り出す。それが神である私の務めですから」

「暁・・・」




本当に、それでいいの?
暁は、それで納得できるの?


私だって、最初はこんなところに縛られているなんてって。
浅葱を開放したいって思ってやったことだった。




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