黄泉の本屋さん
「ありがとう」
浅葱は優しく微笑んだ。
「僕も、奏音さんの事、好きだよ」
「浅葱・・・」
浅葱の言葉に、胸が熱くなる。
浅葱も、私の事・・・。
「でも、ダメなんだ」
でも、それは一瞬にして切り捨てられた。
「え・・・」
「僕は、死人。でも、奏音さんは生きてる。あなたには、戻らないといけない場所があるでしょう?」
「それは・・・」
そんなことはわかってる。
浅葱が、霊であることも。
住む世界が違うという事も。
そんなことはわかってる。