黄泉の本屋さん


もし記憶が戻らなければ。
もし、前のままだったとしたら。


私の告白に応えてくれていただろうか。
私の事だけを、大切だと好きだと言ってくれていただろうか。




「・・・バカだ」



そんなの、都合よすぎる。
私が、助けたいって浅葱の気持ちも、暁の気持ちも無視して勝手なことをしたのに。

今更、後悔なんて・・・。
最低だ、私。




でも、私だけを見て欲しい・・・。
その気持ちが消えない。



愛されたい。




求められたい。




必要とされたい。






「・・・っ」




まただ、頭痛が。
頭を抑え蹲る。



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