黄泉の本屋さん
「奏音さん!」
私の様子に気づいた浅葱が駆け付けてくれた。
優しく背中に手を添えて、擦ってくれる。
「あさ・・・ぎ・・・」
「はい。大丈夫?奏音さん」
「頭が・・・」
「無理に話さなくていい。落ち着くまでこうしているから」
浅葱の言葉に甘え、私は黙り込む。
ギュッと目を閉じ頭痛に耐えた。
なんだろう。
この痛みは。
痛いのは頭なはずなのに。
心が、抉られるような。
胸がざわめく。
心が、痛む。
そんな感覚。
その意味を、知りたいような知りたくないような。
知るのが、怖い。