黄泉の本屋さん


「死んでもいいなんて、なにを言ってるんだ!ここにいてもいいなんて、そんなのだめに決まってるだろ!」

「・・・っ」

「あなたは、ずっとここにいて、本当に心からそんなことが言える?」




ポロポロと溢れだした涙。
とめどなく溢れるそれに、私は息を詰まらせる。



「ごめ・・・浅葱・・・ごめんなさい・・・」



最低だ。
わかってたはずなのに。

命の大切さを、ちゃんとわかってはずだったのに。



怖くなって。
離れたくなくなって。


私、逃げようとした。



浅葱の前で、そんな事言うなんて、私最低だ。



浅葱だって、生きたかったはずなのに。
生まれてくる赤ちゃんを弧の腕に抱きたかったはずなのに。


今までであった人たちも。
もっと、もっと、生きたかった人たちだった。



そんな事、痛いくらいにわかってた。





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