黄泉の本屋さん
「奏音さんが、いるべき場所に戻って、愛すべき伴侶に出会って家族を作って。人生を全うし終えたら・・・」
「終えたら・・・?」
「その時は、ここで会いましょう。僕は、奏音さんをここで待ってる」
浅葱の優しい手が、私の頬に触れ流れた涙を拭う。
「それからまた、ここで一緒に暮らしましょう。それまでは、生きて。人生を謳歌して。約束」
「それが、約束・・・」
「はい」
「浅葱以外に、好きな人なんてできるかな・・・」
「大丈夫。ちゃんと、人生を謳歌しないと怒るからね」
無邪気な笑顔を浮かべ笑う。
私もつられて口角をあげ微笑んだ。
「浅葱は・・・、いいの?私でも」
「はい。妻には、もう護ってくれる人がいますから」
そっか・・・。
調べたんだ。
そうだよね。
気になるよね。