黄泉の本屋さん
「なんで・・・、なんで、こんな・・・」
「奏音さんは、誰よりも、家族を求めてた。誰よりも、愛されたいと思ってた。だから、その願望が現実だって思いこもうとしたんだ」
愛されたかった。
でも、そんなことは絶対に無理だと。
父は、仕事人間で。
母は、そんな父に依存する弱い人間。
母は、父に見てもらいたくて必死だった。
私の事なんて、二の次で。
愛された記憶なんて、ない。
愛せないなら、どうして産んだりなんかしたんだ。
私は、生まれてきたくなんてなかった。
こんな人生なら、生きたくなんてなかった。
何度もそう思った。
何度も。