黄泉の本屋さん


「あなた、1か月も目を覚まさなかったのよ。怪我もよくなっているし、脳波の異常も見られないのに、意識だけ戻らなくて・・・」

「え・・・」



一か月・・・?
一か月も私、眠っていたの?

長い夢を見ていたような感覚は、そのせい?




「ごめんなさい・・・。お母さんのせいね・・・」

「え・・・?」

「お母さんが、あんなこと言ってしまったから・・・。あなたを、産まなきゃよかったなんて・・・!そんな事、思ってなかったのにっ」




泣き崩れたお母さん。
私は戸惑いながら視線を向ける。
なにを言っていいかわからなかった。


あの言葉は、すごく傷ついた。
でも、私も売り言葉に買い言葉でお母さんに酷いこと言った。




「お母さん・・・」

「お母さん、もう一人でも生きていけるようにならなくちゃね」

「え?」

「諦めも、必要よね・・・」




涙を拭いながら顔をあげたお母さんは、どこか覚悟を決めたような顔をしていた。




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