黄泉の本屋さん


「ごめんなさい。なんでもないです」

「そう?・・・あの踏切で、事故にあって亡くなったんだって」

「え?」

「父。踏切が下りていたのに、・・・もしかしたら自分で命を投げたんじゃないかとも言われてたみたい」




その言葉を聞いて、私は声を荒げた。




「それは絶対に違います!そんなはずない!愛する奥さんがいて、お腹の中には愛しい我が子がいて、自ら命を絶つなんて、そんなことするわけない!絶対に、違う!」




声を、荒げずにはいられなかった。
誤解、してほしくなかった。


誤解・・・?



誤解だなんて、どうして私が言えるの?




「ありがとう。僕も、母も同じ。自殺なんてするわけない。きっと、なにかがあったんだって、想ってるよ」

「あ、はい・・・」



私は力んでいた手を下ろす。
なんだか、私変だ・・・。





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