黄泉の本屋さん
「お邪魔しました」
「今日は、無理言ってきてもらってごめんね」
「いえ、楽しかったです」
送ってもらい、家の近くで別れる。
浅日さんとの時間はとても楽しかった。
頭を下げ、帰ろうと歩き出す。
「奏音ちゃん!」
呼び止められ、振り向く。
「僕、もっと奏音ちゃんの事知りたいと思ってるんだけど」
「え・・・?」
「奏音ちゃんに、近づきたいって言ったら・・・迷惑かな?」
まっすぐ投げられた言葉。
トクンと胸が鳴る。
「迷惑じゃ、ないです」
私は頬を染め、そう答えた。