黄泉の本屋さん
「ここは、現世(うつしよ)と常世(とこよ)の狭間にある黄泉路(よみじ)という場所だよ」
「うつ・・・?とこ・・・?よみじ・・・?」
いきなりついていけないんですけど!
夢の世界って、なかなかハードだわ。
「現世っていうのは、うーん。生きてる人たちがいる世界。げんせ、とも言う。そして、常世は、黄泉の世界。あの世。人が死んだら行くところ」
「・・・・え?」
「ここは、その間に位置する場所なんだ。・・・少しは、通じたかな?」
にっこり。
じゃないわよ。
笑ってごまかそうとしてもそうはいかない。
バカも休み休み言いなさいよ。
「いや、これは、私の夢でしょう?私は早く目を覚ましたいの。夢なんだから早く消えなさいよ!」
「うーん。困ったなぁ」
私の怒鳴り声にも浅葱は全く動じず右手で後頭部をかいた。