黄泉の本屋さん
「これは、夢ではないし、俺たちはちゃんと存在している。現実を見てください」
そんな浅葱をフォローするように、暁がそう言いながら浅葱の隣に座った。
現実って何。
こんな、理解しがたい状況のこと?
ここが、あの世とこの世の間で。
それって何。
じゃあ、それって。
「私、死んじゃったってこと・・・?」
そんなところに来ているということは。
きっと、そういう事で。
なんで?
だって、私。
いつもみたいに朝起きて。
お母さんにお弁当を忘れてるよって。
お父さんが一緒に行こうって誘ってきて。
でも、お父さんは忘れ物をしたって。
ああ、少しずつ思い出してきた。
ここで気が付く前の記憶。
私は電車に遅れそうで、いつも気を付けて渡る十字路を慌てて渡ろうとして・・・。
「事故って・・・そのまま・・・?」