黄泉の本屋さん



「安心して、奏音さんは死んでいないよ」




青ざめていく私に優しく声をかけてくれたのは浅葱だ。
え・・・?
死んで、ない?


じゃあ――――。




「間違えて、迷い込んでしまったのか、それはよくわからないけど。君は確かに生きている。君からはまだ生気が感じられるから」

「え・・・。じゃ、じゃあ、どうしたら戻れるの!?」

「それが・・・、さっきした契約で、君の記憶を開いて、ここに来てしまったわけとか、今現世に在る君自身の状況とかを君自身が理解することによって、現世への道標を示そうとしたんだけど・・・」

「それを、なにか強い力が拒んだんです。拒まれては、俺たちにはどうしようもできない。あなたを、現世へ誘うことはできないんです」




浅葱が言いよどんだ言葉を、暁が繋げていく。
信じられない話が、紡がれていき私の理解できるキャパを軽々と越えていく。




「それって、戻れないって・・・こと?」

「・・・はい。今の状態では」

「そ、そんな!」




そんな事って。
私、まだ17歳なのよ!?
これから進学だって、就職だって、結婚だってしたいのに!




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