黄泉の本屋さん
その様子を、襖の向こうから浅葱が見つめていた。
そこに、暁がやってきて浅葱を見上げる。
「覗き見とは、悪趣味ですよ」
「ああ、ごめん。少し心配で・・・」
沈んだ様子の奏音を見て胸を痛める。
突然こんなところにやってきて、混乱するのは当たり前だ。
「・・・しかし、どうするんですか。あんな面倒な人を招き入れて」
「うん・・・。でも、追い返すわけにはいかないだろう?」
「そうでしょうけど・・・。それにしても、厄介ですよ」
暁は、襖の隙間からそっと奏音の横たわる背中を覗き見た。
「ああ・・・」
「さっさと、すべて思い出させて、帰すことですね」
「・・・それが、本当に彼女の幸せなんだろうか」