黄泉の本屋さん
初めてのお客様
「いつまでゴロゴロしているつもりですか!」
突然入ってきた暁が私が転んでいた布団をひっぺ替えした。
ちょ、ちょっと―!
布団をひっぺ替えされるなんて、初めての経験だわ。
今時そんな風に起こされるなんてないわよ!
「なによ!」
「働かざる者食うべからずという言葉、知っていますか?」
「うっ」
そんなことくらい、知ってるわよ。
こんな子どもに指摘されるなんて・・・。
だからって、ここで私にできることなんて・・・。
それに、正直そんな気分じゃ・・・。
「あ、あの・・・」
身体を起こし座り直して、暁を見上げた。
「奏音さん、お願いがあるんですが・・・」
声をかけようとした時、入ってきたのは浅葱だった。