黄泉の本屋さん
笑顔の絶えないお母さんに、優しいお父さん。
3人家族の私の家族。
大好きな、家族。
「今日も遅いの?」
「ああ・・・、今忙しい時期だからな」
「そっか・・・。無理しないで頑張ってね」
「ああ、ありがとう」
お父さんは、サラリーマン。
夜遅くまで働いている。
だからこそ、朝一緒に行く時間がとても貴重だ。
「ああ、しまった。忘れ物をしてしまった」
「ええ?私、戻る時間ないよ。部活始まっちゃう」
「わかってる。今日は先行ってくれ。お父さんは取りに帰ってから行くから」
鞄の中を覗きこみながら焦ったように話すお父さんに私は呆れながら息を吐く。
お父さんって、時々抜けてるんだ。
よくこうやって忘れ物してる。
なんて、お弁当を忘れた私が言えないか。