黄泉の本屋さん
頑張ろうと思うのです
恥ずかしい。
いい年して声をあげ泣いてしまった。
しかも、男の人に抱きついたまま。
我に返った瞬間に、ものすごく恥ずかしくなった。
浅葱は、別に何とも思っていない様子だけど。
それはそれで少し寂しい。
「はぁ・・・」
今日も変わらず、店番をしながら深くため息を吐いた。
「店頭でそんな深いため息やめてください」
呆れた声が降ってきて振り返ると暁が立っていた。
私は肩を竦める。
「ごめんなさい」
「まったく・・・。しっかりしてくださいよ。成仏するたびにいちいち泣かれたら困りますからね」
「う・・・」
痛いところをつかれた。
暁にまでばれていたなんて・・・。